みなさん,こんにちは
代表の萩原です。
経済産業省が策定した「中小M&Aガイドライン」(以下,「ガイドライン」といいます。)には,中小М&Aにおいて士業等専門家に求められる具体的な支援内容や留意点が提示されています。
中小М&Aの事前準備として株式・事業用資産等の整理・集約が必要な場合,特に弁護士が関与・支援することが望まれるものとして,ガイドラインでは①名義株主・所在不明株主への対応,②株主の整理・集約の支援,③事業用資産等の整理・集約の支援を挙げています。
また,債務超過企業に対する中小М&A支援に最も多くの頁が弁護士に割かれています。債務超過企業から相談を受ける弁護士が単純に破産を勧めないでほしいということが以下の文章から読み取れます。「利益計上できない債務超過企業であっても,最初から破産手続等による完全廃業のみを検討するのではなく,資金繰り等の観点でも現実的に検討可能な場合には,一部事業譲渡等も含めて,譲り渡し側にとって最良の選択を検討することが望ましい。」(ガイドライン81頁)。
今後は,弁護士として赤字企業からの廃業の相談に対しては,М&Aの選択肢も提案していくことが標準化していくのではないかとみています。弁護士が破産手続きの流れを説明できるように,М&Aの流れを説明できるようになるということです。
ガイドラインには,事業譲渡契約書等のひな形もあり,手続きの流れ等細かく記載されています。コロナ禍で地域経済の担い手となっている企業の存続は,従業員の雇用を守るためにも重要ですので,廃業を考える経営者には一日でも早く弁護士に限らず専門機関への相談を勧めますし,当事務所も相談の受け皿として活動をしていきます。
中小М&Aガイドラインは以下参照。
https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200331001/20200331001.html