消費者問題には、非常に多くの事案が含まれています。
訪問販売、健康食品販売、着物の販売、霊感商法、エステ、金融商品取引、架空請求、結婚相談等々、消費者問題は様々な形であらわれます。
消費者問題に共通するのは、業者と消費者との間に存在する、巨大な能力格差です。情報収集にかけられる時間や能力、商品やサービスの内容への知識、相手を説得する技術など、業者は、消費者に対して、圧倒的に強い交渉能力を有しています。
本来契約とは、公平な当事者間で締結されるべきものです。しかし、業者と消費者との間には巨大な能力格差が存在しているため、業者と消費者との契約は、業者に一方的に有利な不公平なものとなってしまいます。
そこで、消費者を保護することで、業者と消費者との間の能力格差を解消すべきとの要請が生じます。この要請が、消費者問題の根幹である、消費者保護の必要性です。
消費者問題を扱うには、消費者がどのような制度で保護されているのかを知らなければなりません。利用すべき制度を間違えてしまうと、誤った対応をすることになりかねません。
例えば、クーリングオフという制度があります。クーリングオフは、期間内であれば契約を一方的に解除することができるという、消費者にとって大変強力な制度です。
しかし、クーリングオフの根拠となる特定商取引に関する法律を見てみると、クーリングオフにはいくつもの種類があることが分かります。訪問販売のクーリングオフ、電話勧誘販売のクーリングオフ、連鎖販売取引のクーリングオフ、特定継続的役務提供契約のクーリングオフ、業務提供誘因販売取引のクーリングオフ、それぞれに、対象となる契約や、クーリングオフ可能な期間が定められています。
契約に、制度の適用があるのか、制度の利用は可能かといった判断をする際に、弁護士による対応が有用です。
社会で行われる取引は、次々に新しいものに変わっていきます。当然、新しい取引にあわせて、消費者保護の制度も変化していきます。
例えば、訪問購入のクーリングオフが可能となったことや、個別クレジット契約についてのクーリングオフが可能になったことも、重要な消費者保護制度の変化といえます。
新しい制度を知り、その制度に対応していくことも、弁護士の重要な役割です。
消費者と事業者の両者にとって、消費者問題は必ず考慮しなければならない問題です。事前の契約のチェック、事後の解決の方法について、弁護士法人萩原総合法律事務所(茨城県筑西市・常総市・ひたちなか市)までお気軽にご相談ください。