平成29年4月11日に筑西本本部において,野田弁護士・萩原弁護士が,指導書・注意書の実務について,社会保険労務士の先生方と勉強会を行いました。
今回は,特に中小企業での解雇事案で,指導書・注意書が裁判所の判断に影響を与えた2事例をピックアップして,講義をさせていただきました。
積極的にご質問,ご指摘いただき,当事務所でも大いに学ばせて頂く機会となりました。
質問・回答が講義時間内に終了しなかったものについて,以下に掲載させていただきます。
≪質問1≫
注意書・指導書に関して,作成部数は何部作成しておくことが必要でしょうか。
≪回答1≫
後日の紛争に備えるためには,労働者に配布するだけでなく,会社に控えとして保管しておくことをお勧めします。
≪質問2≫
パソコンで作成された会社内部文書(労働者への指導・注意の記録,忘備録等)は,後から日付や内容を改竄したものではないかと疑われませんか。
≪回答2≫
労働者に,指導・注意書を提示した際,日付及び署名をしていただくことで,後日の「改竄」の疑いは,ある程度予防できるかと思います。
その他,パソコンで作成された文書の更新日時は,「ファイル」の「プロパティ」欄に「作成日時」「更新日時」「アクセス日時」等が記録されています。プロパティの「更新日時」が,改竄していない証拠の一つになるかと思います。(うっかり,後日,上書き保存を押してしまい,改竄していないのに「更新日時」が書きかえられてしまうことには注意しましょう。)
また,内容証明郵便を自社宛てに出すことで,内容・日付を郵便局に証明してもらうと言う方法もありますが,指導・注意のたびに行うのはコスパ的に現実的では無いと思われます。
同じく,公証人役場で確定日付を押してもらうことも考えられます。コストは内容証明郵便より抑えられます。